東日本大震災被災地の現状
第10回 依存症の背景にある不安
「まさか3年以上も仮設住宅にいるとは思わなかった」。最近そうした嘆きをよく耳にするようになりました。 長引く避難生活は生活不活発病やアルコール依存症などの引きがねとなります。仮設住宅入居者を対象にした県の健康調査(※)で […]
第9回 急がば回れの合意形成
被災した自治体のなかには、集団移転や街づくりなどで住民との合意形成がスムーズに進まず計画が停滞しているところが少なくありません。 本来なら、行政が提示する複数の計画案を住民が検討して合意に至るべきなのですが、震災の非常事 […]
第8回 仮のコミュニティに身を寄せて
震災で、大きな被害を受けた沿岸部の人たちは、長年培ってきたコミュニティを離れ、バラバラに暮らさざるを得ない状況へと追い込まれました。仮設住宅も様々な地域から入居した人が多く、コミュニティの分断は一層進みました。仮設住宅で […]
第7回 失われた販路、減っている取引量
宮城の基幹産業である水産加工業の売上げは、設備がある程度整ったいまも震災前の水準に戻っていません。 理由は、震災で一度途絶えた販路が回復しないことや、販路は戻っても取引量が減少していること、人手不足で工場の稼働率が下がっ […]
第6回 事業再建をはばむ風評被害
東京電力福島第一原発事故による風評被害が、被災事業者の再建をはばむ大きな要因のひとつになっています。 農水畜産業者は、国が定めた厳しい検査基準を満たしているにも関わらず「宮城県産は残留放射能不検出(ND)でも扱わない」と […]
第5回 険しい再建の道、仮設商店街
復興のシンボルの一つとなっている仮設商店街ですが、自力再建はなかなか進んでいません。 被災地を訪れる人で賑わっている商店街は幾つかあるものの、多くは立ち上げ時と比べ訪れる人が大きく減少しています。地元の方の利用も人口流出 […]
第4回 数千人規模で起きた人口流出
震災後、沿岸部のまちでは2千人~3千人規模で人口が流出しました。もともと人口減少が続いていた地域ですが、今回の震災で急激な人口流出が進み、地域復興の不安材料となっています。とくに、今後地域のコミュニティ再生や産業復活を担 […]
第2回 まだまだ消えない「住まいの不安」
生活再建のために最も基本的で重要な「住まい」。しかし、被災地では住まいを巡って日々新たな問題が浮上しています。床のたわみなど早くも老朽化が進む仮設住宅、みなし仮設の契約打ち切りや用地返還に伴う仮設住宅の撤去による仮設間転 […]
第2回 再び直面する失業危機
宮城県内の震災による失業者は約4万6千人。慣れない他業種への転職やがれき処理施設への一時的な就労など、仕事の環境は激変しました。 2年半を経過したいま、復興関連事業の求人数増加で数字上の状況は一見好転しているように見えま […]
第1回 2年半前と変わらない景色がある
震災から2年半が経過し宮城県の災害廃棄物の処理は82%まで終了しました。しかし津波浸水域にはいまも壊れた家や岸壁、海水に浸かったままの田んぼが残ります。 応急仮設住宅で3度目の夏を迎えた方々は9万6千人。県外への避難者8 […]