化学物質の規制と使用基準に対する考え方

(1)食品添加物について

 1960~70年代の高度経済成長期、様々な食品添加物が大量に使用されるようになったことも背景に、全国の生協では、組合員とともに食品添加物を減らした様々なコープ商品を生み出し育んできました。こうした中で、生協では、食品添加物の自主基準を設け、行政の基準より厳しい基準でコープ商品の管理を行なうとともに、生協として行政に使用削減を提案する食品添加物をリスト化(Zリスト)し当時の厚生省に指定削除の要求運動を行なってきました。

 その取り組みは、食品衛生法の改正、食品安全基本法の制定等に発展し、日本の食品安全行政は大きく前進しました。とりわけ、リスク管理機関である農林水産省や厚生労働省などから独立した機関として内閣府に設置された「食品安全委員会」の発足は大きな意味を持ち、食品添加物はもちろん、農薬や食中毒など様々な食品に関わるリスクについて、科学に基づく客観的な評価がなされ、情報公開の進展とともに法規制が作られるようになりました。

 現在の食品安全行政の到達点や課題を整理しつつ、これまでの組合員・生協の長年にわたる取り組みの成果を踏まえて、生協としての食品添加物の考え方を示します。

食品添加物に対する考え方

①「食品に不要な添加物は使用しない」という基本的な考え方は今後も不変です。一方で、多くの食品添加物は、有用性とリスクという両面を持っています。したがって食品添加物を単に否定するのではなく、食品の安全に関わって食品添加物を評価する根拠は、一つ一つの添加物に対する科学的な「リスク評価」とします。

②食品添加物の安全性の評価は高い専門性が要求されます。鳥取県生協としては、基本的に日本生協連およびコープCSネットが定める基準に基づく運用を行ないます。ただし、鳥取県生協のこれまでの取り組みや経過を踏まえ、過去の安全性評価から評価内容が変更になり制限がなくなった添加物については、必要性や有用性を十分検討した上で取扱いは慎重に進めていきます。

③日本生協連およびコープCSネットが定める基準に基づく運用を行なうことで、食の安全と科学的知見に関する情報収集の感度を高め、国に対して必要な働きかけをし続けることを通じて、コープ商品だけでなく社会全体の食品の安全・安心づくりに貢献していくことを目指します。
*「鳥取県生協食品添加物基準」は別表をご参照ください。

★食品添加物とは?

食品添加物とは、食品を製造・加工する際に保存性や嗜好性を向上させたり、栄養素を強化するなどの目的で使用されるものをいいます。

食品添加物の役割

★食品添加物の使用についてどのように決めているの?

食品添加物を食品に使用する場合、「それが私たちの体内に取り込まれても安全であり(リスク評価)」「その安全性を保証するための正しい使用方法が定められ(リスク管理)」「その安全性についての情報を消費者に提供し理解を得ること(リスクコミュニケーション)が必要です。このような考え方・仕組み(リスクアナリシス)に基づき行政が役割分担して、食品添加物の使用を管理しています。

食品添加物の利用のしくみ

★食品添加物の安全性をどのように評価するの?

食品添加物は、食中毒などとは異なり、長期的に摂取することの影響も確認することが大切です。まず、動物実験で動物が一生涯毎日食べたとしても、影響がでない無毒性量を定めます。そして、種の違いや一人一人の違いを考えて無毒性量を100で割った値を、ヒトの一日摂取許容量(ADI)と定めます。(この「リスク評価」は食品安全委員会が行ないます。)

食品添加物の安全性の評価

(2)農薬について

 残留農薬の安全性管理は、2002年の農薬取締法改正による無登録農薬の製造・輸入の禁止や使用制限、2003年の食品安全委員会設立によるリスク評価の透明性向上等を経て、2006年ポジティブリスト制度(*)の導入により大きく前進したことも踏まえ、農薬に対する考え方を以下に示します。

農薬に対する考え方

①農薬は、そのリスクを正しく理解し必要な場合に適切に使用し管理することが基本です。生鮮産直農産物については、生産者・コープCSネットと連携して「生協版適正農業規範」(*)に沿った農薬安全性管理を行ないます。

②これまで進めてきた「可能な限り農薬を減らす事で農産物の安全性を確保し環境保全型農業の構築につなげる」との基本方針および取り組みは、環境への影響や生産性など総合的な視点に立って、生産者の協力も得ながら引き続き進めていきます。

③国の安全性管理の前進等を踏まえ、鳥取県生協では、ポジティブリスト制度などの法令に基づいた運用及び残留検査を行ないます。

*ポジティブリストとは

 食品中に残留する全ての農薬や動物医薬品については原則使用禁止とし、「使用」や「残留」を認めるものについてリスト化するという制度です。この制度が導入される前は、原則規制がない状態で、禁止するものだけをリスト化して規制する制度(ネガティブリスト制度)でしたので、残留基準が定められていない農薬等の規制はできませんでした。

*生協版適正農業規範とは

「生協の組合員に信頼される事業を確立し、安全で安心できる「たしかな商品」を組合員に提供する」ために必要な管理項目(14項目64のチェックポイント)を明らかにしたものです。この規範に基づき、生産者・団体に自己点検をお願いし、その上で供給前、供給終了後に職員が現地訪問して、管理項目が正しく機能しているかどうかの点検活動を行ないます。

(3)動物用医薬品について

 「動物用医薬品」とは、畜産物や養殖魚に使われる薬品で、主に病気の予防や治療を目的とし、抗菌性物質や寄生虫用剤などがありますが、その安全性管理については、残留農薬と同様に、食品安全委員会によるリスク評価とポジティブリスト制度に基づく運用が行なわれています。それらを踏まえ、鳥取県生協で取り扱う産直品、および加工度の低い開発商品について以下のように考えます。

動物用医薬品に対する考え方

①動物用医薬品の使用にあたっては、使用基準を守るよう産地、生産者の指導、管理を強化します。さらにはより安全性を高めるために、休薬期間をのばすなど商品に残留しないよう、生産者とともに、生協として独自に努力していきます。

②肥育管理のはっきりした産直品の開発に力を入れて行きます。その際には、家畜等がストレスをためず、動物医薬品の使用がなくてすむ、もしくは、最小限に抑えることができる肥育方法を推進します。

(4)放射性物質について

 2011年3月11日の福島第一原発事故以降、放射性物質による食品汚染について多くの消費者が不安を感じています。また、事故収束に向けた道筋もまだまだ不透明な部分が多く、被災地のみなさんを中心に普段の生活を取り戻すための支援活動も含めて、長期的な視点に立った取り組みが必要です。

 鳥取県生協では、日本生協連をはじめ、全国の生協、取引先や生産者と協力し、組合員により安心して商品をご利用いただくための取り組みを継続的に進めていくために、以下の考え方に沿って対応します。

①放射性物質に対する考え方と対応について

原発事故は、国家レベルの未曾有な事態であることから、政府・自治体の判断・指示に沿った取扱い商品の対応と安全確認を進めます。放射性物質基準は、食品衛生法上の規格基準に準拠しますが、長期化する汚染への対応が求められることから、一定期間が経過した段階で現行の基準・管理内容が適切かどうかについて適宜検討していくよう行政に求めていきます。

食品衛生法に記載の食品に含まれる放射性セシウムの基準値

②放射性物質検査について

政府・自治体が行なうモニタリング検査を踏まえ、放射性物質検査器を保有する日本生協連検査センターや他の事業連合及び一部会員生協での自主検査の拡充と相互協力、検査データの共有化をすすめます。

③組合員とのコミュニケーションについて

政府・自治体が発表する検査結果等の放射性物質に関する情報について注視するとともに、日本生協連を中心に実施する自主検査結果の内容も含め、風評被害等への影響も十分考慮しつつ有効かつ必要な情報を機関紙「せいきょう」やホームページ等を通じて分かりやすくお伝えするよう努めます。

(5)環境ホルモン・ダイオキシンについて

 1998年5月に環境庁(当時)が発表した「環境ホルモン戦略計画SPEED98」にて、「内分泌かく乱作用を有すると疑われる化学物質」67物質をリスト化したことにより、大きな社会不安が広がりましたが、その後の検証実験等で「ヒトへの明らかな内分泌かく乱作用があるとは認められない」として、2005年3月に環境省は上記リストを取り下げました(環境省:EXTEND2005)。近年では、「ビスフェノールA」(*)についての健康影響が指摘されていますが、通常の摂取条件ではヒトに対して大きな健康影響を及ぼす可能性は低いという考え方が強まっているものの、生態系や胎児・乳幼児への影響について現在でも「食品安全委員会」でのリスク評価が行なわれています。

 また、ダイオキシンについては、ダイオキシン類対策特別措置法により、その排出量も2010年と1997年比較で約98%削減される等、日常生活の中で摂取する量により健康影響が生じることはないとの考え方が一般的になっています。一方で、日常生活の中で摂取する量の数十万倍以上の多量摂取では、発がん促進作用、生殖機能等への影響があることが動物実験により指摘されています。しかしながら、ヒトに対しても同じような影響があるかどうかについては、不明な部分もあり、ヒトの健康影響に対する研究が引き続きすすめられています。

 鳥取県生協としては、今後も最新の科学的知見等の情報収集につとめ、長期的な視点に立って慎重に評価を行なうとともに、適宜必要な対応を行なっていきます。
*「ビスフェノールA」について:哺乳瓶や食器・缶の内側などに使われるポリカーボネートというプラスチックの原料です。

*食品安全委員会:ビスフェノールAの中間とりまとめ(2010年5月)

ヒトがビスフェノールAに曝露されて生殖発生や発達に悪影響が及んだという直接的な証拠はないが、実験動物におけるビスフェノールAの低用量曝露による影響については、生殖発生、神経発達、免疫系に及ぼす影響を示唆する知見が多数報告されている。これらは、生体における適応の範囲に属する影響から、毒性影響とみなすべき影響まで広範にわたっている、しかし、用量反応関係についての知見が不十分であること及び試験結果の再現性が十分に担保できないことに留意する必要がある。現時点における知見を鑑みると、最近海外の政府機関で採用されているNOAEL5mg/kg体重/日より低い容量のビスフェノールA曝露によって、実験動物を用いた試験系で軽微な影響が顕れる可能性に注視する必要がある。

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