生協商品Q&A

微生物

質問:1.微生物って何ですか?
答え:

 微生物とは、個体が微小で肉眼では見えず、生物顕微鏡を使って識別できる生物のことで、その大きさは、大きいものでも長さ10μm(マイクロメートル)、小さいものでは1μmしかありません。ちなみに1μmは、1000分の1mmです。微生物は、環境中、食品中、人間の体内などあらゆるところに存在しており、また、微生物は人間と同じように栄養を摂り込み、増殖していく生きものです。そのため、食品の腐敗や、変敗、食中毒も起こし、人間に危害を加えることがあるのです。

一般生菌

 一般生菌はある一定条件下で発育する中温性好気性菌(温度35℃前後、酸素があるところで生育する細菌)のことをいいます。一般生菌の検査を行うことによって、食品および、それらが生産された環境全般の細菌汚染状況を示す指標となり、食品の安全性、保存性、衛生的な取り扱いの良否などを総合的に評価する際のきわめて有力な手段です。

大腸菌群

 48時間以内に乳糖を分解して酸とガスを酸性する通性嫌気性(酸素がなくても、あっても生育できる細菌)の一群の細菌をいいます。大腸菌群は自然界に広く分布しているため、衛生管理上の汚染の指標と考えられています。

大腸菌

 大腸菌は、大腸菌群に比較して、ヒトおよび動物の糞便に存在する確率が高く、しかも自然界で死滅しやすいなどの理由から、これらが食品中に存在すれば直接または間接的に比較的新しい糞便汚染があったことを示すものです。大腸菌には、病原性のO-157も含まれます。

質問:2.サルモネラ菌とは?
答え:

 サルモネラ菌は、鶏、豚、牛などの動物の腸や河川、下水など自然界に広く分布しており、2,500以上のもの血清型が知られています。特にサルモネラ・エンテリティディスは、1980年代後半から欧米諸国で流行し、我国でも1989年以降急激に増加し、発生件数の1、2位を占めるようになりました。
発症には、大量の菌が必要と言われていましたが、最近では、少量の菌で感染し発症することがわかってきました。この菌の発症菌数は一般的に10万個程度とされてきましたが、サルモネラ・エンテリティディスは数十個の菌量で発症するとの報告があります。特に幼児や高齢者の方は、サルモネラ菌に対する感受性が高いことが認められているので、充分な注意が必要です。

どんな食品が原因になりますか?

 サルモネラ菌に汚染されている肉や卵を原材料として使用した場合で次のような食品が原因となりやすいとされています。牛のたたき、レバ刺、食肉調理品(特に鶏肉)、うなぎやすっぽん等
また、ネズミやペット動物を介して食品を汚染する場合があります。前述のようにサルモネラ・エンテリティディスに汚染された鶏卵による食中毒が増加しており、生たまご入りとろろ汁、オムレツ、卵焼き、自家製マヨネーズなど、鶏卵を原料とし十分な加熱工程のない食品が原因になっています。

症状はどうですか?

 潜伏期間は、約5時間から72時間で、腹痛、水様性下痢、発熱(38℃~40℃)が主症状です。
嘔吐、頭痛、脱力感、倦怠感を起こす人もいます。

予防のポイントを教えて下さい

  1. 食肉や卵などを取り扱った手指や調理器具はその都度必ず洗浄消毒すること。(二次汚染防止)
  2. 卵は新鮮なものを購入すること。
  3. 購入後は冷蔵保管し、生食するのであれば表示されている期限内に消費すること。
  4. 割卵後は直ちに調理して早めに食べること。尚、卵の割り置きは絶対にしないこと。
  5. 食肉などは低温で扱うこと。
  6. 調理の際は食品の中心部まで火が通るように十分に加熱すること。
  7. 検便を励行すること
  8. ネズミ、ゴキブリ、ハエなどの駆除を行うこと。
質問:3.腸炎ビブリオとは?
答え:

 腸炎ビブリオは、日本で発見された細菌です。戦後の社会の混乱もほぼ落ち着いてきた1950年(昭和25年)に大阪市で「シラス食中毒事件」が発生しました。行商で売られたシラス干しが原因で、患者272名、死者20名にのぼる大事件が発生しました。毒物混入の疑いを含めてさまざまな方面から検査が行われた結果、大阪大学の藤野恒三郎博士がそれまでは知られていなかった細菌が検査材料(シラス干し)にたくさん付いていること、それに、この細菌を動物に投与すると動物が下痢等の症状を引き起こすことを発見しました。この時発見された菌に「腸炎ビブリオ」という名前が付けられました。
この菌は塩分を好み、発育に必要な栄養分のほかに、海水とよく似た3%前後の食塩が存在する環境で温度がヒトの体温に近い37℃前後の時に最もよく増殖します。腸炎ビブリオにとって最適な条件が揃うと、1個の細菌は約10分で2個に分かれます。つまり10分間で2倍に増えてしまいます。従って高い気温の下に放置された食品中では腸炎ビブリオは猛スピードで分裂し計算の上では1個の菌がわずか3~4時間の間に何と!1000万個くらいに増えます。

どんな食品が原因になりますか?

 汚染の出発点は魚介類などの海産物です。夏になると、近海産のアジやサバ、タコやイカ、赤貝などの内臓やエラなどに付着しています。これらを生食用の刺身にするとき、刺身に移って感染します。また、魚介類に付着した腸炎ビブリオが、冷蔵庫の中やまな板などを通じて他の食品を汚染し、その食品から食中毒を起こすこともあります。

症状はどうですか?

 菌が付着した食品を食べた後、10~24時間後に激しい腹痛と下痢が起こります。特に腹痛はさしこむような激痛で、猛烈な苦しさを伴います。また激しい下痢が何度も続く為、脱水症状を起こすこともあります。発熱はあまりなく、ほとんど抗生物質の投与で2~3日で回復します。ただし、水のような便が正常に戻るまでには1週間位かかります。

予防のポイントを教えて下さい

  1. 魚介類はできるだけ加熱して食べる
  2. 調理する直前まで冷蔵庫などで5℃以下で低温保存する。
  3. 調理した刺身はできるだけ早く食べる。
  4. 他の食品と接触しないよう、冷蔵庫に食品を詰め込みすぎない。
  5. 調理の際は、魚介類を真水でよく洗う。
  6. まな板やふきんは魚介類専用のものを使う。
  7. 使った調理器具はよく洗い、熱湯などで殺菌する。
  8. 魚介類を直接さわった手指で別の食品を調理したり盛り付けたりしない→手洗いを励行
質問:4 カンピロバクターとは?
答え:

 古くは牛や羊の流産の病原菌として知られ、人との関わりについては、血液から本菌がまれに検出されてはいましたが、ほとんど注目されていませんでした。
1973年にベルギーで、77年にイギリスで下痢患者から本菌が検出されその重要性が指摘されました。又78年にアメリカで水系感染により住民約2,000人が本菌に感染し世界的に知られるようになりました。
日本では1979年に保育園での集団下痢症状例から初めて本菌が検出され、これ以後我国でも本菌は食中毒菌として位置づけられました。カンピロバクター属は現在15菌種に分類されており、家畜、家禽、ペット、野生生物、野鳥等、あらゆる動物に分布しています。牛の場合は数~40%、また鳥の保菌率は高く50~80%です。カンピロバクターによる食中毒は1989年~1996年において年間20~40件発生しています。この食中毒菌は、飲用水の細菌汚染が原因となった場合、大規模な事件となることが多いといわれています。

どんな食品が原因となりますか?

 肉の生食や加熱不十分、動物(鳥類など)のふんによる汚染により、次のような食品が原因や汚染源になりやすいと言われています。
食肉(特に鶏肉)、飲料水、サラダなど

症状はどうですか?

 潜伏期間は、2~7日間(平均2~3日)で潜伏期間が長いのが特徴です。
腹痛、下痢、発熱が主症状で通常、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛等の前駆症状があり、ついで吐き気、腹痛が見られます。前駆症状の後、数時間から2日後に下痢症状が現れ、下痢は1日10回以上に及び、1~3日続きます。腹痛は下痢よりも長時間継続し、発熱は38℃以下が普通です。

予防のポイント

  1. 熱や乾燥に弱いので、調理器具を使用後に良く洗浄し、熱湯消毒・乾燥すること
  2. 加熱不十分な食肉やその臓器あるいは食肉等の生食は避けること。
  3. 食肉からサラダ等への二次感染を防ぐ為、以下の点に気をつけること。
    (1)生肉を取り扱う調理台と完成した料理を置く調理台を離して設置すること。
    (2)生肉を取り扱った後は、十分に手指を洗浄すること。
    (3)相互汚染を防止するため生肉は専用のフタ付の容器に入れるかラップをかけること。
  4. 未殺菌の飲料水、野生動物の糞便で汚染された貯水槽水、井戸水、沢水は飲まない。
  5. 未殺菌の牛乳は飲まないこと。
  6. 小児では犬や猫などのペットからの感染に注意すること。
  7. ビルやマンションの貯水槽は周辺を清潔にし、野鳥などの糞が入らないように衛生管理に注意すること。

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