生協商品Q&A

石綿

質問:1.石綿とは?
答え: 石綿(いしわた、せきめん、アスベスト)は、天然に産する鉱物繊維の一種で、蛇紋石または角閃石を原料として製造される。耐熱性、断熱性、耐摩耗性、柔軟性、対化学性などに優れ過去、吹付け剤、断熱剤、吸音材、石綿スレート、自動車ブレーキ等に広く用いられていた。

(主な石綿の種類)
○ 蛇紋石系石綿...クリソタイル(白石綿、温石綿)
○ 角閃石系石綿...クロシドライト(青石綿)
アモサイト(茶石綿)
アンソフィライト
トレモライト
アクチノライト

(石綿の主な用途)
○ 吹付け材 ...石綿にセメントを混ぜて鉄骨などに吹き付ける加工。
○ 断熱材 ...石綿を板状に成型したもの、保温板、保温筒、石綿布団など。
○ 石綿スレート...セメントに石綿を混ぜて成型した板、波板、ボードなど。
○ 石膏ボード ...石膏や珪酸カルシウムに石綿を混ぜて成型した板材。
○ ビニル床タイル...塩ビに石綿を混ぜて成型したタイル
○ 自動車ブレーキ ブレーキ・クラッチのライニング等に使用される。

過去国内にも石綿鉱山が約50ヶ所存在したが現在はすべて閉鎖されており、戦時中を除いてほぼ全量を輸入に頼っている。1970年代から1990年代半ばまでは年20~30万トン輸入されたが、1989年以降減少を続け、2004年は8千トンになっている。過去輸入された石綿は累計990万トンにのぼる。
質問:2.石綿の毒性は?
答え: 10年以上にわたって職業的に石綿繊維を吸入すると「石綿肺」と呼ばれる塵肺(じんぱい)の一種になります。また石綿繊維の吸入は、肺癌や中皮腫(悪性中皮腫)の原因になると報告されており、IARC(国際癌研究機関)の評価ではグループ1(ヒトに対して発癌性のある)と分類されています。蛇紋石系石綿(クリソタイル)より角閃石系石綿(クロシドライト、アモサイトなど)の方が発癌性が強いです。また肺癌より、中皮腫の方が少ない曝露量で発症するとされています。食品や飲料水を介して石綿を摂取した場合(石綿を吸入した場合も)、消化器系の癌・中皮腫の原因になると報告されています。なお、石綿の発癌性は喫煙と相乗効果を示し、毒性を助長することが知られています。
<石綿により起こる疾病>
疾病 潜伏期間 症状
石綿肺 15年~20年 肺が繊維化し、肺機能障害を起こす
肺癌 15年~40年 肺に生ずる癌
中皮腫 20年~50年 胸膜や腹膜に生ずる悪性腫瘍

<石綿と喫煙と肺癌に関する相乗効果>Hammond,1985
  喫煙なし 喫煙あり
石綿曝露なし 11
石綿曝露あり 53
※石綿曝露なし・喫煙なしを1としたときの死亡率の比
質問:3.石綿の規制と問題は?
答え:

 戦後、石綿と肺癌・中皮腫の関連が国際機関で確認され、各国で規制が進められました。日本では1975年に石綿の吹き付けが原則禁止され、ロックウールなどに代替されました。(しかしロックウールに混入された石綿の吹き付けは1988年まで部分的に続きました。)1987年学校など公共施設での石綿の吹き付けが社会問題となり、1989年に石綿に関する環境基準が定められました。1995年にはクロシドライトとアモサイトの輸入・製造・使用が禁止されました。クリソタイルに関しては2004年10月に輸入・製造・使用が原則として禁止されましたが、一部用途については適切な代替品がないという理由で猶予され、2008年までに全面禁止されることになっています。

 石綿の肺癌・中皮腫の関係は1950年代に証明されており、少なくとも規制が始まった1970年代に全面禁止でなく部分的な規制に留まり、その後も大量の石綿が使用されたことは、業界及び行政の怠慢といえますが、新規の利用が激減した現時点でもこれまで使われた石綿の問題があります。吹き付け石綿は経時的に飛散して施設の室内空気を汚染するほか、不適切に撤去工事を行うと却って石綿を大量に飛散させます。石綿スレートなどの石綿含有建材からも建材の劣化に伴って石綿は飛散しますが、吹き付けと比較すると飛散量は少ないと考えられます。

現時点での石綿問題

○ 過去に吹き付けられた石綿の剥離
○ 吹き付け石綿を撤去する際に起こる石綿の飛散
○ 建物の解体時に石綿吹き付け及び石綿含有建材から発生する石綿

質問:4.石綿の代替品は?
答え: 石綿の規制にしたがい、石綿の代替が進められてきました。特に曝露が懸念される吹付け石綿については、主としてロックウール(岩綿)に代替えされました。ロックウール(岩綿)とは、高炉スラグや玄武岩等の天然鉱物を高温で溶融した状態で遠心力を利用して繊維状にしたものです。高炉スラグを原料とするものは、スラグウールともいいます。
質問:5.石綿代替品の安全性は?
答え: 石綿代替品として用いられる鉱物繊維の中にも、石綿と類似した毒性が見出されます。特に天然鉱物繊維である、エリオナイト(繊維状ゼオライト)、セピオライトなどは、結晶質で繊維が縦に細かく砕ける石綿と類似した性質を示し、吸引した場合には石綿に類似した毒性があるとされています。人造鉱物繊維であるロックウール、グラスウール、ガラス繊維も、職業的に大量に吸引した場合は、塵肺になるほか、発癌性に関する報告があります。しかしこれらの繊維は非晶質(ガラス質)で細かい繊維に砕けず、対化学性が石綿より低いなどの性質があるため、吸入された場合にも石綿や天然鉱物繊維ほどの毒性を示さないとされます。
質問:6.生協における対応はどうなっていますか?
答え:

 2005年9月より、順次鳥取県生協の支所、商品センター、ココステーションの建物につきまして、アスベストの使用状況調査を行っております。その中で、ココステーション打吹が入っている倉吉市が所有している施設がアスベストを使用している疑いがある施設として報道されました。生協では、倉吉市役所に赴き問題部分の囲い込み等を実施しています。その他は特に問題となる建物はございませんでした。

質問:7.生協の取り扱っている家庭用品はどうですか?
答え: COOP商品では、蚊取り線香の線香皿、電子蚊取り器について確認した結果、少なくとも現在のメーカーになった1986年夏季供給分以降の製品には石綿は使用されておりません。
質問:8.化粧品はどうですか?
答え: 化粧品に使用されるタルク(滑石)は、不純物として石綿を含有することがあります。1987年、厚生省(当時)はベビーパウダー用のタルクについて「トレモナイト0.5%以下、クリソタイル0.8%以下」とする指導通知を出しました。化粧品メーカーはファンデーションなど他の化粧品類に使用するタルクも同一原料を使用するようになったため、化粧品には、石綿含量の少ないタルクが使用されるようになっています。尚、タルクの成分は、含水ケイ酸マグネシウムであり、石綿とは組成が違い、結晶形が異なります。不溶性鉱物の毒性は結晶形によってまったく異なり、タルク自体は大量に吸入しなければほとんど問題はありません。

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